今なら間に合う!労働者派遣の許可を最短で受けるノウハウ!!

派遣先に向かう派遣労働者

申請書を出せばすぐに許可される?

「期限は9月29日だからまだ間に合うと、のんびりしていたら、派遣先から催促された。」
「申請書を提出した日から許可されると思っていた。」
私のところに労働者派遣の許可申請のご相談に来られたお客様は、決まってこのようにおっしゃられます。

以前の特定労働者派遣事業では、それほど厳しい審査もなく、所定の届出様式を提出すれば、すぐにでも労働者派遣事業を行うことができました。
労働者派遣の事業は廃止され、すべて許可制になったのです。

許可制になったということは、申請書類を提出した後に審査が行われるということです。
この審査には、およそ3カ月を要します。

つまり、平成30年6月までに許可申請を労働局に提出していなければ、期限に間に合わない可能性があるわけです。
しかも、3カ月というのは、申請書類に不備がなく、問題なく許可される場合の期間です。
書類に不備があれば、書類の訂正や追加の資料の提出を求められ、さらに長い期間を要することになります。

このようなことにならないよう、労働局の窓口では申請書類や添付書類の内容に関して細かくチェックが行われます。
何度も訂正を求められ、結果的に、何度も窓口に足を運ばなければならなくなります。
4回も5回も窓口に足を運ぶのが普通だと言われています。
労働局の窓口に、1週間に1回のペースで訪問したとして、ようやく申請書類一式を受理されるまでに、およそ1か月から1か月半かかることになります。慣れない方が担当した場合には、もっと長い期間が必要になることでしょう。

混雑する労働局で準備を待つ人々

さらには、今後、駆け込みで手続きに訪れる会社が多くなることから、窓口がこれまで以上に混雑するものと予想されています。
それを裏づけるように、東京労働局の受給調整部では約制を採用し対応することにしたようです。予約なしで窓口に行った場合は、2~3時間待ちというのが通常のようです。
今後一層、申請手続きに時間がかかり、その後の審査にも影響がでることでしょう。

期限に間に合わなければどうなるか?

仮に、平成30年9月29日までに許可が下りなかった場合、どういうことになるでしょうか。

現在行っている労働者派遣は、許可が下りるまで行うことができなくなります。
無断で行えば、派遣法違反となります。
派遣元が行政処分の対象となるのは勿論ですが、知っていて派遣社員を受け入れた派遣先では、派遣社員を直接雇用しなければならないという義務が生じます。
派遣先が派遣元の会社に対して、許可申請を催促してくるのは、このような事情があるからです。
やむを得ない場合は、派遣契約から請負契約に切り替えることになります。
請負契約の場合、派遣先の責任者は、直接、請負会社の従業員に指示することができなくなります。
現場に請負会社の監督責任者がいれば、その人を通じて仕事上の指示をすることになりますが、現場に責任者がいないような職場であれば、請負会社の責任者に連絡して、現場に伝達してもらうことになります。
当然、手間がかかりますし、生産性は落ちますから、派遣先は敬遠しがちです。
最悪は、契約打ち切りということになるかもしれません。

短期間で許可を受けるためのポイント

私自身もお客様のご依頼で許可申請の代行を行っていますが、労働局への訪問回数は最小の2回、準備期間も含めて3カ月程度で許可証の交付を受けています。
派遣法の改正の背景を理解し、申請書と計画書のポイントを押さえておけば、今からでも十分、期限に間に合わせることができます。

労働者派遣事業許可の手順

許可を受けるまでは次のようなステップを踏んでいくのが一般的です。許可申請の相談をする担当者

1.許可要件のチェック
2.必要書類の準備
3.許可申請書・事業計画書の作成
4.都道府県労働局へ申請書等の届出
5.厚生労働省での許可審査
この審査だけで、約3カ月かかります。この期間を短縮することはできません。

6.許可証の交付
許可証は、労働局から指定された日時に指定された場所に行って受け取ります。
忙しいからといって郵送を希望しても送ってはもらえません。

短期間で許可を受けるためには、ステップの1~4をいかに効率よく無駄なく行うかということになります。
なるべく短期間で準備し、労働局への訪問回数を少なくすることが肝要です。
1回目で書類の不足や不備についてチェックを仰ぎ、2回目で申請書を提出し、受理してもらうというのが理想です。
まずは、労働局主催の説明会に参加してください。
基本的な手順や流れの大枠をご存知という前提で、各々のステップごとのポイントを述べます。

 

ポイント1~許可要件のチェック

平成27年の法改正で、労働者派遣事業の許可要件が見直され追加されました。
財政的要件や事務所面積などが要件をクリアできるか確認します。

特に、これまで特定労働者派遣を行っていた事業所にとって影響が大きく、最初の難関が、財政的要件です。

原則次の3つの要件をすべて満たさなければなりません。
①基準資産額2,000万円以上
②現預金1,500万円以上
③基準資産額が負債総額の7分の1以上

基準資産額というのは聞きなれない用語かもしれませんが、具体的には次のような計算式で求めます。
資産-営業権-繰延資産-負債総額
基準資産額も現預金も許可申請の直近での決算書から求めます。

小規模な派遣元事業主には以下のような暫定的な措置が取られています。

○常時雇用している派遣労働者が10人以下の中小企業
①基準資産額1,000万円以上
②現預金800万円以上

○常時雇用している派遣労働者が5人以下の中小企業
①基準資産額500万円以上
②現預金800万円以上

気をつけなければならないのは、暫定的な措置の要件で許可申請を行う場合です。
暫定的な措置ですから、今後も継続するとは限りません。
特に、常時雇用5人以下の暫定措置については、法律施行後3年間ということになっているので、次回の更新の際にはこの暫定措置による許可は受けられません。
初回の更新は3年後となりますので、それまでに増資などの検討をする必要があります。

この他にも多くの要件があります。
具体的には、申請書に添付するものの中に、様式15号「労働者派遣事業の許可申請にあたっての自己チェックの結果について」という書類があり、記載されている項目のひとつひとつを確認していけば良いでしょう。

ポイント2~必要書類の準備

賃貸契約書、決算書など必要な添付書類を準備します。
就業規則があれば変更の届出が必要になります。
また、個人情報保護規程などの作成も行います。時折、プライバシーマークを取得しているので必要ないのではと考える社長さんもおられますが、派遣法においては、派遣元責任者や職務代行者など、規程の記載に個人を特定するよう求められます。
さらに「キャリア形成支援制度実施規程」の作成も義務付けられました。
これらの規定については、記載例などサンプルが公開されています。これらを参考にして、自社にあったものを作成して下さい。
労働局の初回相談時に持参してチェックを受ければ、2回目までに指摘された個所を訂正することができます。

ポイント3~許可申請書・事業計画書の作成

要件を確認し、添付する書類の準備が整ったら、いよいよ申請書の記載にとりかかります。
様式1号という書類が「労働者派遣事業許可申請書」になります。
細かいことですが、事業所の所在地は謄本通りに記載する必要があります。
よくあるのが、謄本では「1丁目2番地3号 コバヤシビル3階」となっているのに、申請書には「1-2-3」と略して記載するとか、「コバヤシビル3F」と「階」ではなく「F」としてしまうなどです。申請書の上部に捨印があれば、窓口で指摘された際にその場で訂正もできますが、あらかじめわかっていれば、余計な手間を省くことができます。

次に「労働者派遣事業計画書」という様式3号ですが、添付書類である決算書や社会保険の届出書類などが揃っていれば容易に書けるものです。
問題は様式3号の2「キャリア形成支援に関する計画書」です。
平成27年の法改正では、財産的要件や派遣労働者の期間制限が注目を集めていましたが、私はこのキャリア形成支援こそが改正の胆といってもよい重要案件だと考えています。

派遣元事業主に対して、「キャリ形成支援制度」を義務付けたのです。

様式1号「労働者派遣事業許可申請書」と様式3号「労働者派遣事業計画書」までは何とか記載できたけれど「キャリア形成支援の計画書」となると何を書けばよいかわからないという事業主の方が結構おられます。

キャリア形成支援が要件に追加された背景にあるのは、心ならずも非正規として派遣労働に従事している労働者に、正規労働者に転換するチャンスを増やしていこうということにあります。その手助けの一端を派遣元事業主に課しているのです。

特定労働者派遣事業では、もともと無期雇用の正社員を派遣労働者としている事業所が大半ではないでしょうか?
一部の事業所では、届け出制で参入しやすかった特定労働者派遣事業で、非正規雇用の労働者を派遣労働者として雇用するということが横行していましたが、今回の改正でそのような事業所は淘汰されるはずです。
したがって、正規に転換するためのキャリア形成支援といってもピンとこないというのが本音かもしれません。
そのような事業主さんには、私は先ほどのような法改正に至る背景を説明し、派遣労働者のキャリア形成にとらわれすぎないようアドバイスしています。
つまり、派遣社員ということにとらわれすぎないで、長期にわたって人材を育成し、将来中核を担う社員となってもらうためには、どのような教育を施していくのかということです。
もちろん、派遣先で貢献できるような知識や技術の習得も必要です。
派遣先で問題を起こさないようコンプライアンスの教育や、人間関係が良好になるようなコミュニケーション能力も必要かもしれません。
この点は、事業主の考える将来的な方針にも関係してきます。

もちろん、有期雇用の派遣労働者を雇用する予定があれば、その方たちが、正規雇用となれるように支援することが求められます。

キャリア形成支援計画書

もう一点、キャリア形成支援の計画で重要なことは、キャリアコンサルティングの義務化です。
派遣労働者が希望すれば、労働者はキャリアコンサルティングを受けることができることになりました。
現在「キャリアコンサルタント」は国家資格となり、認定試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録した者しか名乗れなくなっています。
私もクライアントからの要望があり資格を取得しましたが、年々試験の難易度が上がってきており、徐々に狭き門になってきているようです。
しかし、派遣法では、キャリアコンサルタントの知見を有する者を配置すれば、国家資格をもつキャリアコンサルタント以外の者でも良いこととなっています。
なので、代表者の方や派遣元責任者といった方をキャリアコンサルタントの担当者としても構いません。
ただし、労働者から希望があったときに
キャリアコンサルティングとは「忙しいからできない」「そんなこと自分で考えろ」といったわけにはいきませんので、経済的に余裕があり、やはり専門家に頼んだ方がということであれば、外部のキャリアコンサルタントと契約しておくのも良いかもしれません。

ポイント4~その他の書類

○事業所レイアウト
事務所面積が20㎡以上あることを確認することもありますが、面談場所が外部から見えないようになっていなければ指摘を受けます。やむをえない場合は、カーテンで仕切るなども必要になります。作成例などにはありませんが、パーテーションの高さなども、外からのぞき込めるような低さだと問題があるため、レイアウトに書き込むよう指導を受けることがあります。
○その他
様式3号「労働者派遣事業計画書」に派遣事業の料金と賃金の記載欄があります。派遣労働者の賃金の割合が、派遣事業の料金の少なくとも65%以上となっているよう確認してください。この点も、法律などに明記はされていませんが、審査の過程で不許可と判定される要因のひとつとなります。

まとめ

今回のブログで取り上げた書類外にも、必要な届け出書類や添付書類が数多くあります。
「公正採用選考人権啓発推進員選任状況報告」もそのひとつです。
また、特定派遣事業の届出時と現在の役員に変更があったり、住民票の住所が変わっているといった場合などは、変更届も提出する必要があります。
まずは、自社で必要な書類を説明会などで確認してください。
全くの準備なしで、いきなり窓口にいってもかえって時間がかかてしまうだけです。
大変かもしれませんが、必要な届け出書類と添付書類を事業所ごとに整理し、法改正の趣旨の概要に沿って、ひとつひとつクリアしていけば短期間で許可を受けることができます。

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